画像の説明
ぱー
waimai
RisuPon
ぽ
メイ
あやちゃん

宇宙人が吐く緑のネバついた液体バリの速度にて

確実に緩やかに、死期というよりその時がいている。
そもそも、廃定食屋の脇の路地に、目的も無く入り込んだことが間違いだったのだ。
既に電子長靴は灰色の金属光沢を持った泥に沈んでしまい、腰まで浸かりかけている。
思い立って下半身を動かそうとしても、もうビクともしない。

雨が降っている。
それは私が生まれてから、それよりもずっと前からのことで、そうでなければおかしいほどに、雨は絶え間なく降り続いていたし、今この瞬間も変わらない。
それなのに、この雨という現象。温度という概念の様に当たり前なものが、この私に意識されている状況。
遠くから、お祭囃子が聞こえてくる。きっと、近所の交差点にある、エンゼルフィッシュを奇数匹するというルールを作り、偶数匹になってしまうと一匹を焼き魚にしているあの青い看板の床屋から聞こえるのだろう。これが私へのレクイエムなのかと思うと、少し寂しくもあるのだが、最早そんなことで私の心は揺るがない。なぜなら死期というよりその時が近づいているから。

※この文章を読んでいる人に警告をします。

明日、風船を飛ばしたなら、地表から6メートルの地点で破裂することとなるでしょう。

そんなことを言ったところで、この状況に変化はなく、あなたにも、また変化は無いのだろうと、そのことを嘆くのみで、時間は進行しない。

体を捉え、硬直させる泥は、そのヌメヌメとした感触をして肉体の熱を奪う。
雨が降っている。

とても緩やかで、心地良くはない。
音に溢れているが、騒がしくもない。
緩いとしか言えない、描写することに手間取りもしないこの状況で、私は苦しんでいる。同情の余地は生まれないだろう。

泥の中に埋もれ、沈んでいくのは些か息苦しいものである。

さあ、

どの様にここを出ようか。