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メイ
あやちゃん

第3000話  ヴァーサス 談合坂

始めたばかりの頃には、高速道路を徒歩で歩くということが、これ程までに心地よいことなのかと感動していたけれど。
そんなことは数時間でどうでも良くなり、忘れ、今感じることなく思い出された。

指先の表面の感覚はもう随分と鈍くなり、鈍い橙色をしたゴムの球体を10本の指にはめ込んでいるのかと錯覚をする。
両手をしみじみと眺めると、右手薬指の先端は未だ無傷であることに気付いた。
既にやり尽くしてはいるが、この途方にくれる程の時間を埋めるべく、指先を上下の前歯の間に配置し、そのまま口を強く閉じた。
液体が吹き出し、そのまま食道、胃袋と移動する。
暖かく、思わず笑みがこぼれた。

液体が眼鏡に付着してしまったので、眼鏡を外し、ゴアゴアとした撥水加工のインナーシャツでレンズ部分をこすり、
再びかけてみれば、左側のレンズは余計に視界を淡くしている様である。
しかし、薄く藍色の霧が立ち込める景色が、少しばかり曇ったところで誰も気にしないのだ。

強い風が吹き、綺麗な球形の穴が空いた灰色の壁が、ブルンブルンと音を立てた。

はぁと、溜息をついた。
心を保っていなければ、私の耳たぶの大きな両耳は、鋭い切断面を持って落下していたことだろう。
はぁ   と、溜息をついている。

外気より重い為に、青黒いコンクリィト上にて、シュワっと形を崩し砕けた。

ため息が消え、エアヴェイパーマックス95の茶ばんだ半透明のつま先から、視線を上げる。

緑の標識には、談合坂サービスエリアまで、20キロメートルであることが、
大山エンリコイサムのグラフティ越しに辛うじて読み取れた。

トンネルの奥から、足音が聞こえる。

両切りのゴールデンンンンバットに火をつけて咥える。
ノースフェイスのダウンジャケットの胸ポケットから、XSサイズのガンダムハンマーをそっと取り出し、愛の言葉を囁いた。