画像の説明
ぱー
waimai
RisuPon
ぽ
メイ
あやちゃん

梅雨

「雨ってヤーーーダなーーーーー」

「やだね。」

「ずっと晴れだったらいいのに」

「ね。でもね、雨って必要なんだって。」

「なんで。」

「あんまり晴れの日が続くとね、ほうれん草がね、黄色くなっちゃうから。雨も必要ってこの間、天気予報の後に言ってた。天気予報士さんが。その後に黄色くなったほうれん草が映った。」

「あ~ まぁそうだよね。ほうれん草だけじゃなくて、キャベツとか、ネギとか 葉っぱの野菜みんなそうだね」

「ううん、違うの、ほうれん草なの。さっきので1番重要なのは、『ほうれん草が』ってところなの。『黄色くなっちゃう』じゃなくて。」

「なんで?」

「だって、ほうれん草が黄色くなっちゃうんだよ。」

「いやだって、キャベツだって黄色くなるじゃん」

「そうなんだけど、きっとたとえばあの時テレビに映ってたのが黄色くなったキャベツの畑だったら私は、「あ~ 植物に水分も必要なんだなあ 雨は偉大だなあ」という感想を抱いたと思うの。でもね、わたしが黄色くなったほうれん草を想像するときの気持ちはね、哀れみに近いの。ぁあ、雨よ降ってください、って、願うほどの。わかる?」

「よくわからない。」

「う~ん、たとえば、冬にみかんの皮を剥くじゃない。そして実の部分をたべて皮の部分をコタツの上の、年末大セールのチラシで作ったゴミ入れの中に入れておく。それで一眠りして、起きた時にふと見るとその皮は剥きたてのときよりもひとまわりもふた回りもちちんでで小さく、硬くなってしまっているのを見たときの感じと同じだと思う。」

「う~ん~~」

「だから晴れの日が続くとね、カラカラの畑に並んだ黄色いほうれん草のことを思い出すの。苦しくなる。から今ちょっと安心してる。」

「きっとこの雨量なら心配ないね。」

「あ~あ、でもあとどのくらい続くんだろう この雨」

「あっ、五円玉みっけ」

「お~。」

「五円チョコ買おう。」

「晴れの日にね。五円チョコは晴れ属性だよ。」

「わかる。じゃあ五円玉は?」

「雨。雨属性。」

「じゃあ、あの信号機は?」

「雨かな~ 横断歩道は晴れ。三角コーンは雨。」

「電線は晴れ。ハトは雨。スズメは晴れ。カラスも晴れ。」

「ケンタッキーは?」

「ケンタッキー~~???むずかしいな~雨?」

「え~~晴れでしょ」

「あはは、右側ビッショビショになってんじゃん」

「そっちだって左側ビッショビショじゃん」

「あはは、ほんとは持ってるんだけどね、傘」

「知ってるよ いっつも入れてんでしょ 横っちょに」

「うん、入れてる」

「じゃあね 、ほうれん草が黄色くならなくてよかったね。」

「うん。時期ちがうけどね。」

「なんだよそうじゃん~ でもそれでもほうれん草なんでしょ?」

「うん。それでもほうれん草だよ。」

「じゃあね~~」

「じゃあね。」