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メイ
あやちゃん

わたしの孤独をしる宇宙人へ

春休み、生活をした

朝カーテンを開け、洗濯機を回しながら料理をし、お茶を淹れる。本と音楽に寄り添い、自然に触れ、じぶんの身体を意識し、愛を持つ。そうして繰り返される日々のいとなみのひとつひとつとものをつくることはわたしの身体の内側、隣どうし肩を並べ合っているということ。今日も生きると選択したことによる付随、排泄、クリエイティビティのことはよくわからない。

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花見をした次の日の朝ベッドの上、ともだちを軸にするにはあまりに脆いということをおもいだした。わたしと彼らは違う人間だという当然の事実に、どうしてこんなにも傷つくことができるのか。

学校がはじまる。

生きるための折り合いがいつまでもつけられずにいる、気づかずに生きられた方が楽なことが多い、でもそれ以上のよろこびがしりたい。

 

崩壊する生活、もう辞めてしまいたい大学、5

つくることで救われていた記憶も朧げに凶器となっていく、それでも祈るようにつくっていたいと願うのはこの環境からの追放とかんじてしまうのはわたしだけ?

桜は道端に気配すらなく、それどころかもう夏のようで、何かがはじまる予感もいずれは消え失せ、これからの季節にわたしがどう存在するのかがわからない。

とあるワークショップを受けたときの羞恥が日毎わたしをころしていく。

「こういうことをする学科で、こういう課題をやったりして」

消えてしまいたくなる。

「パフォーマンス、つくりたいと思ってるんですけど」

 

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馴染めない飲み会を抜け出し最高なひとたちと信じられないくらい安くて旨い中華を食べる、あかるくたのしい未来の計画がひろがる、はじめて会ったひとの家で詩とよつばと!を読みながら朝を迎える、そのままそのひとのバイト先でモーニングを食べる。こういう日のために生きてきたんだとおもう、こういう日のためだけに生きていていいんだとおもう。

 

18年目の春にやっと逃げ出せたいやなにおいのする場所に二十歳の身体で帰ってきた、7

はじめて開けた商店街の酒屋の扉、「ガツン系の芋で」と言ってオッチャンらにドッと笑われる、「今度は飲みにくるけん!」と笑いながら一升瓶抱えて店を後にする。唯一の逃げ場だった服屋に顔を出したら目を細めながらはじめて店に来た日の話をされる、冬休み成人祝いに飲みに行く約束をする。だいすきな文具屋に久々に寄ったら飛び上がるほど歓迎される、デザインのこと、アートのこと、印刷のこと、仕事のこと、人生のこと、当時はできなかった話を閉店までたくさん、たくさん話した。同い年の子たちから弾け飛んだわたしを面白く、あたたかく見守ってくれていた大人たちがたくさん、たくさんいたことをしる。たしかな、かえる場所なのだとしる。

 

8月、2度目の奥多摩は最高の仲間たちとロケ撮影

たかい天井に溶けていくしりとり、蝉の声、タバコ、タバコとひとの布団を踏みながら抜け出す、岩肌のひんやりとした感触、そしていつの間にかのふかい眠りの先まるで夢のようなものをつくって、タバコ吸いながら待ちぼうけた電車につかれた身体のせて帰った。

近ごろはもうあまり何がしたいだとかなりたいだとかそういうこと考えなくなった、その代わりただひとつたしかな刹那的たのしいで生きている。いまなら転がってくものの先を指差しながら、わらえる。

 

6回くらいしか袖を通さなかった制服も、ギャルと卓球しかしなかった高校時代も、いらないとおもうしかなかったともだちも、出たい出たいと願った地元も、聞いているだけで泣き出しそうになる会話も、ゴミに埋もれながらベッドの底はりついていた日々も、すべてがここにいていいのだとおしえてくれる。誰かと未来を重ねてる、誰かによって自分の輪郭を探ってる、誰かと同じ風景を見てる、誰かによって存在をつなぎとめられてる、誰かとつながることの代償を負ってるわたしを教室の隅のおさないわたしにこっそり耳打ちしてあげたい。そこがわたしの場所じゃなかっただけ、ただ、それだけ。

 

地元のカメラ屋さんに教えてもらったカメラ博でついにローライを手に入れた夜、汗だくの身体なんかもうどうだって良くて沈めたベッドの先、ふいに文章を書こうとおもった。そして、このときをずっと、ずっとわたしは待っていたのだとおもった。

 

二十歳、夏、あなたの孤独をしる宇宙人より