画像の説明
ぱー
waimai
RisuPon
ぽ
メイ
あやちゃん

起きてまだちょっと眠いけど

案の定効きすぎの空調がしたり顔の車内で、さっきまでずっとあった気持ちもシャッフルでかかる音楽にいとも容易く塗り替えられるから、また今、自分がどこにいるかが、わからなくなりそうになる。

小さい頃、本当に小さい頃、リビングのソファで眠ってしまったぼくを父親が抱き上げてベッドに運ぶのに微睡みの中で気づいても、目を閉じてそれに甘えていて良かった頃、ぼくのベッドはぼくが眠りに落ちる時、ぼくの身体の形に底の浅い穴があいた。パズルのピースがそこにはまるみたいに、ベッドの上でぼくが眠りに落ちるとき、ゆっくりと世界は完成した。それはどこまでも続く柔らかな風が吹く芝生の真ん中に、ぼくが眠っている絵だったと思う。

初めて、夜から朝にかけて、楽しさとは真逆の気持ちで意識が覚醒し続けていた日、窓の外を見つめてこんな朝も来るんだと思った日から、ぼくはその浅い穴を失った。

ベッドの上でしか眠れなくなった。もう「ベッドの中」にはどうしても行けなかった。ぼくはあの草原を失い、あの安らかなイメージに抱きしめられることはなくなった。

けれど、悲しくも寂しくもなかった。

ベッド以外の場所に安らかな場所が、柔らかな場所が、存在することにとっくに気づいていた。ぼくはよほどやられてなければそのような風の吹く場所も、草原だって、どこにいたって見つけることができるようになった。いろんな景色のパズルが部屋にはたまっていく様は見ていて楽しい。これだけで人生だと大いに言える。ぼくはぼくの居場所をもういくつも知っている。

伸びをしただけだ。世界は拒んだのではなく上に立つことを許してくれたんだと思う。ぼくはまだまだ真っ青だから時々あの草原を思い出すけど、どうやらコンクリの上でもまあまあ全然立てるらしい。少し寝足りない気もしますが、それもまあよしとして、今日も風が涼しいです。