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ぱー
waimai
RisuPon
ぽ
メイ
あやちゃん

ラジオと多様性と、スーパーでパンを食べるか否か。

雲にフィルターされた光がぼんやり広がる月曜日。部屋の片隅にあるシンクで、プラスチックの桶にお湯を溜めて洗濯物を(大きいものはともかく、下着やらシルクやらは手洗いしている。洗濯機を使うのも他のものと同様、高いのだ)じゃぶじゃぶ洗いながらラジオを流していた。シェア部屋となると、何を見るにも聞くにもイアフォンを挿して、コードをぶらつかせなきゃいけないから面倒なのだけども(実はバレンタインにbluetoothのイアフォンを貰ったからこれは解決したのだけど何にせよ)、他の子達が出かけている時は、自由に音を流せて快適。

日本よりラジオ局が多くて、最初は一体何から聞いたら良いのか分からなかったけど、最近はニュースとオピニオン(何人かの一般の人が電話で自分の意見をぶちまけたり、何人かで討論になったりするラジオのスタイル。どうしてみんな平日の午前中に電話かけて政治語る余裕があるのかは謎)と音楽が聞けるBBCのを、耳寂しい時に点けている。今朝は、Brexitの対応と反ユダヤ主義的な風潮を受けて、労働党から議員が抜けたニュースに対しての電話議論があって、数曲流れた後、Supermarket Grazingという社会現象(?と呼ぶにはちょっと情けないのだけど)についての特集があった。Grazingは羊などの放牧された家畜が草をはんでるという意味の動詞で、語頭にスーパーが付いているのは、(人間が)スーパーでお会計前に商品を食べたり飲んだりすることだ。いやもう日本長い人からすると?????なのだけど、イギリスでは割と目にする行為で、もちろん主に親に連れられた子供なのだけど、あります。待てない子供が買い物カートの椅子でジュースを飲んでたり、お菓子を食べてたり、パンをかじってたりするのは、結構普通。そこは我慢させないとろくな大人にならないのでは?と思われるかもしれないけど、私も子供の頃同じことしてたなぁと、ラジオを聴きながら思い出した(まともな人間に育ったかどうかの判断はお任せします)。お菓子を食べていた覚えはないけど、買い物中にバゲットの先っぽをもぐもぐしていた記憶は確かにある。子供連れてスーパー行くのはきっと午前中だろうから、朝焼きのバゲットが、今以上に小さい私の目と鼻の先に、他の食材の間からニョキっと伸びるようにしてショッピングカートに入れられていたのだろう。まだ中が暖かいパンなんて、バターも何もなくとも美味しいに決まってる。小さい私は「パン〜」とねだって、母親にちょっと硬い先っぽをちぎってもらい、バゲットにしてはモチモチと目の細かい生地に顔を突っ込んで食べていた。あれに悪意はない。。パンの暖かい記憶に浸っていたら、早速1人目と電話が繋がった。
3人の子供がいるお母さん:食べたいーと言って進まなくなる息子、列で泣き出す娘がいると、あげちゃうんです、あげないと無理でしょ、という言い分。次はスーパーで働く中年の女性:食べるのはしょうがないかもしれないけど、量り売りのものは困るわーいいオトナで、ぶどうの茎だけ持ってくる人とかいるもの。83歳のおばあちゃん:モラルが変わりましたよね。スマホを見ている間、子供にお金を払っていないおやつをあげたり。自分家があるんだから、家に帰って食べて欲しいわ。すっとんきょうな声のおっちゃん:食べるよ、買い物中に。それはお金払わないね。どうせパンとか最後廃棄になるんだし。
食べている当人から店側の人まで、よく集まったなというほどのバリエーションで、しかもこの後メールでのお便りもいくつか読み上げられていた。最後のオープンな泥棒以外は、どの人の言い分も筋道が立っていて共感できるもの。話題的に強烈な悪が存在しないからこそかもしれないけれど、立場によって色味の違う、グレーな問題だった。
でもそれは実はどのような議論でも言えることであって、たくさんの意見があればあるほど頭はこんがらがるけど、マインドは豊かになると思う。ロンドンには多様な人々と文化がある。それが故に秩序が希薄だし、コミュニケーションが困難な気がしたり、治安が悪いと感じることもある。けれどもBrexitの投票で、EUに留まって、今までみたいにヨーロッパとそこに来た移民の人々を受け入れる、という選択を多くのロンドン市民はした。生活が苦しくても、たくさんの文化とおもろい人達に囲まれていたら、気持ちに余裕が生まれるのだろう。東京だって度合いは違うけども、そうだと思いたい。多様性は別にただ外国人の数で反映されるものなんかじゃなくて、ちょっと自分の小さなバブルから出たら、いくらでも自分と異なった文化や趣味、ビジョンにコンプレックス、恋愛経験をもった、年代とセクシュアリティー、の人達がいて、要するに みんなもっと飲みに行こう、話聞かせて、あと私酔うと記憶飛ぶからボイスメモ取らせて、という話(笑)
この世で間違いなく一個信じられるものがあるとしたら多様性です。
(アイキャッチ画像はロンドン、ハックニーの人々を撮りまくる写真家Zed Nelsonの作品。ハイシーズンの天国みたいじゃありません?)
18.2.2019 HAZUKI

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