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地域共生ってこういうことか〜

手前味噌でちょっと申し訳ないのだけど、

課題で場づくりの活動をしている小池良実さんという方に会う機会があって、彼女のお話を記事にしました。ちょっと興味ある人是非どうぞ。

地域共生のいえオーナー・小池さんの編集を超えたデザイン

世田谷区の古民家を拠点に、小池良実さんは地域のコミュニティづくり、そしてフリーランスで編集の仕事をしている。一見、視デ生の思い浮かべるデザインの「職」とはかけ離れているようだが、小池さんの活動は、実現したい社会を形作るデザインなのではないかと感じた。

・岡さんのいえTOMO

京王線 上北沢駅から徒歩5分。緑が茂る、前庭の広い木造家屋がある。フェンスには所狭しとたくさんのパンフレットやイベント告知のポスター、そして大きな予定表が貼られていて、何やら楽しげな雰囲気。ここが、小池さんが代表を務める 岡さんのいえTOMO(以下岡さんのいえ)だ。

元々岡さんのいえは小池さんの大叔母さん、岡ちとせさんが半世紀に渡って暮らしていた家で、彼女にピアノや英語を習いに来る地元の子どもたちで賑わっていたそう。そして岡さんが亡くなった後は、「このいえを子どもたちや地域のために役立てて」という彼女の願いを小池さんが受け継いでいる。

日々たくさんのイベントや集まりが開かれている岡さんのいえだが、根底で目指しているのは「まちのお茶の間」。築70年の岡さんのいえに、「お邪魔しまーす」と玄関を上がると、襖をのけて二部屋を繋げた広い座敷があり、そこには座布団に座りおしゃべりをする老若男女の姿が。なるほど確かにこのような風景は今の東京ではなかなか見られない、古き良きお茶の間という雰囲気だ。

取材でお邪魔した日は、午後から「鉄ちゃんクラブ」という会でNゲージという電車の模型を走らせるため、部屋中にレールが敷き広げられていた。これからたくさん人が来るのだそうだ。

・イベントのデザイン
民家とは言え、幅広い年代の参加者がたくさん集うイベント。
それらを企画するにあたって、手順はどうなのか、どこまでデザインしているのかと伺うと、
「枠だけ決めて、あとは投げたり任せたりします」と笑う。
「ただ大事なのは、その後よく見守ることね」。良い容れ物を作って、参加者がその中で遊び、更に新しいものを作っていく。そしてその一部始終を自分も現場で見守ること。
そこにきっと一度きりのイベントではなく、12年も続けられたやり方があるのではないかと思う。
また、上手くいったという実感が湧くのはどのような時か、と尋ねると
「人と人が絡む中で何かしら化学反応が起こった時」だそうで、集まる人たちに学校や職場以上に多様性があるからなのではないかと思った。
・編集のデザイン
今ではコミュニティデザインのお手本のような場づくりで、様々なメディアに取り上げられている小池さんだが、彼女が一番長く続けているのは、やはり編集とライティングの仕事だ。
小池さんは短大の保育課を出た後、出版界に飛び込み、編集のプロダクションで働いた。当時はマガジンハウスのPOPEYEやananが全盛期で、自分たちが時代を作っているという高揚感があったという。その後も保育課での経験を生かした教育誌や絵本、「るるぶ」など多くの紙媒体に携わってきた。そして今は、世田谷トラストまちづくりが発行する「地域共生のいえ かわら版」を手掛けている。このリーフレット状のカラーの新聞は、岡さんのいえでの活動記録や、インターン生のコメント、またメンバーの花言葉コラムなど、イベント同様様々な人たちの視点を交えている。そして岡さんのいえの活動のFacebookと合わせて、活動のアーカイブとしても一役買っている。編集の面での工夫は、高齢の読者を想定し、文字の大きさを工夫したり、分かりやすいレイアウトにしているなどだ。地域の人が集まれる場所を作るだけでなく、それを記録して、外部にも伝えるということを小池さんは編集という形で実現している。
・岡さんのいえを続けいる理由

小池さんはお世話になった大叔母さん、岡ちとせさんの想いを受け継いで活動をしているのだが、その強い原動力は一体どこから来るのだろう?

小池さんは子どもの頃、「多少複雑な家庭環境」にあった。だが、家庭内で窮屈な想いをしていた小池さんを、岡さんはまるっと受け入れてくれた。「遊びに行くと、いつでもお茶とケーキで歓迎してくれた。」と語る小池さんは、きっと岡さんに救われたのだろうな、と勝手ながら想像する。「肉親じゃない人に受容された感覚が、なんとなくずっと背中を押してくれている。おかげで自分も今生きている」。それで今でも、慈善活動をしているような感覚では全くなく、恩返しのようなつもりで、活動をしているのだろう。

・目指す小さな社会

小池さんと岡さんのストーリーが背景にある一方、日々触れ合う子どもたちもいる。
岡さんのいえは小さい子どもやその親御さん、そしてご老人以外にも、中高生に居場所を提供している。毎週水曜日の「開いてるデー」もその一環だ。食べ物や宿題を持ってくるも、ただ話にくるも良しの自由な集まりは、部活がなかったり、帰宅しても家族がいない学生の受け皿になっているのだろう。家庭内に問題を抱えた子も来るそうだ。孤独で、非常に無防備な彼らが新宿や渋谷など、街で居場所を探し回ることへの抑止力にもなっているのかもしれない、と小池さんは考える。岡さんのいえに来る子どもたち、例えば施設対象の子たちに、少しでも居場所があるのだ、ということを知ってもらえれば。同時に、「彼らから もらうこともたくさんあって、気づかされることも多い。どちらかがしてあげているという関係性ではない」ということでも、より距離が縮まる上に、活動を持続可能にしている。
そのように、誰にでも居場所をという理念は、岡さんのいえのメンバーのコミュニケーション手段にも見られる。岡さんの家に関わる人たちは主に:LINEのグループ、メールのグループ、そしてそれ以外の、メールも使えないご老人の人たち、に分けられる。だが、そのSNSで繋がっていないおじいさんたちが、岡さんのいえにとって重要な役割を担ってくれていたりする。繋がれないからといって排除することは絶対にしない。緩やかに共生するのが一番のようだ。
これはデザインにも言えることで、便利にまとめて問題解決をするだけではなく、とりこぼされた人たちも入れるような仕組みを作ることなのではないのか。小池さんも、「早くて便利なデザインは今やもう古いのかも」と言って、そして「ここはどうやったって儲かりはしないから、よく『トレンドには先行しているけど、マーケットには逆行している』って言われるけど」と笑った。
これからの岡さんのいえについても伺った。「特にこれと言った目標はないけれど、今来ている子や、若い人が育っていつかここを支えてくれたら嬉しいな」。小池さんが岡さんと、このいえから愛を受け取ったように、子どもたちも知識や想いを受け取り、繋いでいくのではないだろうか。それを可能にするのもデザインだと思う。

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