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ぱー
waimai
RisuPon
ぽ
メイ
あやちゃん

17時から2時まで飲んでいた。

いつもなら24時あたりで自立の限界が来るのに今日は眠気の影すら見当たらず、なんなら朝がくるまで飲んでいたかった。まだ帰りたくなかった。今夜は12月のわりに暖かいしさ、眠くないしさ、年末だしさ、ノリでさ。と口実をつけて誰かと一緒に、始発を待つ駅のまわりをただブラつきたかった。ほどなくして2時過ぎ、三次会はお開きになり、私たちは眠るために散り散りになった。私は友人と先生と助手さんとタクシーに乗った。

割とすぐに目的地についてしまう。四人の中で一番初めにタクシーを降りる。去る車体に手を振って、「あーあ」と思いながら歩き出す。見上げると満月が白く輝いていた。月にまとわりつく雲が、月光に照らされていて鈍い虹色に光っていた。まるで空の瞳孔のようだった。急にさみしくて震えながら、家へ走った。

ぼうっとしてたら4時57分である。メイクも落とさないまま、風呂にも入らないまま、朝を迎えそうだ。

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語りが不可能なことについては、人は沈黙せねばならないと、私もそう思います。

人間の形以外の生きものを飼うこと、毎日身体を触ることによって、前よりは自分が人間の形をしていることへの理解と和解が進んだ。それによって人間らしくなったと言われたし、嬉しく思う。

お前はお前の目で美しいと思ったものに形をつけていくのが使命だろう、それが今やどうだ、誰かの美しいものをむさぼって、それを伝える手段、方法、告知、量産、ご立派な言語を作りあげるのに必死だね。さっき見た美しいものは、とうに枯れている。きっとお前だけが掬い上げることができた。

iphoneの475件のメモ分の何かがあってほしい。
(他人に負けるのは恥ずかしいことだが、昨日の自分に負けるのは恥ずかしいことだ。1日1日、ぼくは世界について学んで、昨日の自分よりえらくなる。たとえばぼくが大人になるまでには、まだ長い時間がかかる。今日計算してみたら、ぼくが20歳になるまで、三千と八百八十八日かかることがわかった。そうするとぼくは三千と八百八十八日分えらくなるわけだ。その日がきたとき、自分がどれだけえらくなっているか見当もつかない。/ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦)

この文章を読んだ時の衝撃はすごかった。「ぼくが20歳になるまで、三千と八百八十八日かかることがわかった。そうするとぼくは三千と八百八十八日分えらくなるわけだ。」単純計算して、その分私は賢くなっているべきなのだ。今も衝撃的だ。めまいがする。現実がある。まっとうに生きているだろうか? 私はほんとうに、かわい子ぶりっ子でもなく、まっとうに生きたいと思う。願っている。まっとうに生きたい。まっとうに生きたい。切実よりも誠実さに真理をみたい。

たくさんの言葉が絡まってうまく言えない。伝えられない。

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先週から卒制を進める。そのために久しぶりに腰を据えて本を読んだら、……ページを繰る手が止まらなくなった。おもろい、おもろいなあ、本ってそうだ、面白いものだったんだ、忘れていた、おもろいなあ、って叫んだ。もう思い出せないかと思った。よかった、ほんとうにもう無理かと思った。本すごい。知的好奇心が満たされ、それはもう例えるなら、コンビニ弁当漬けの身体に染み渡るおみそ汁の慈悲深さ。700円そこらにギュアアアアア詰め込まれた情報の緻密さと丁寧さと信頼性、私の「読みこなしてやるわよ」という積極性と筆者の「絶対寝かせないわよ」という積極性が紙面上でばちばちとぶつかり合い、ああほんとうに文字が読めるというのは幸せだなと純粋にうれしかった。

昨日恩師から急に電話がきた。先生のもっている生徒さんについてだった。その子は文章を書いているらしい。ふうんと思って、送られてきたノートの一ページ目の写真をみた。淡々とした言葉の、青々しさ。感情が感情に、形が形になる前の姿。心が振れた、どぎまぎした。みたこともない若くて遠くて制服の彼女が眼に浮かぶ。そうして、遠くの、昔の、赤ネクタイの、窓際で外ばっかみていた私に、すんなりと還っていく。ふたりがだぶっていく、だぶっていく。だぶっていく。

ハッとした。この青くて強烈な魅力に今の私は囚われてはいけないけれど、

そうだわたしはここから始まったんだった。

 

 

2018.12.22 06:19 鮃