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メイ
あやちゃん

夏の終わりの雷雨

夏の終わりの夕方は、いつも決まって雷雨がやってくる。
お昼の青空が夕方になると突然黒い雲に覆われ、今年もよくサークルからの帰り道に土砂降りの中自転車漕いで家に帰った。普段雨に濡れるのはものすごく嫌でいつも折り畳み傘を持ち歩いているし、ちょっと降ってきた程度でもすぐに傘をさしてしまうのだが、この夏の終わりの突然の土砂降りだけは特別で、服が濡れるのも髪が濡れるのも御構い無しに土砂降りの中を喜んで自転車を走らせる。大抵サンダルだから靴下が濡れて気持ち悪い感覚がない。服だって露出が多いから湿った服がまとわりつく感じがほとんどない。こんなに存分に水の中の世界に浸ることができるのは、一年間の中で唯一この夏の終わりの夕方の、学校から自転車で家に帰る7分間だけなのだ。そして雨上がりには気温がぐっと下がり、秋を予感を感じることができるのもいい。私は冬がたまらなく好きで、好きなものにもうすぐたどり着けるのをじっとウキウキしながら待つ時間もたまらなく好きなので秋も好きだ。その秋を、夏の終わりの雷雨は連れてきてくれる。夏が始まるともう毎日この雷雨の訪れを待ち焦がれていると言っても過言ではない。

それから、私は雷も好きだ。光の中で、あれほど人を興奮させる光は他にないのではないかと思う。雷にたまらなく魅せられてしまうのは、多分血筋からくるもので、私の母も兄も雷が好きで、雷雨の日の夕飯は、テレビもつけず、リビングの電気を消してキャンドルのあかりだけ灯し、ベランダのカーテンを全部開けて雷を鑑賞しながら家族揃って夕食を食べる。これはいつのまにか私の家族の夏の恒例行事になっていて、兄はもう一人暮らしをしていて家にはいなかったが今年も母と例年通り、まるで花火が打ち上がる度にわーっと感動の声を漏らすように雷の光が落ちるたびに興奮した歓声をあげながら雷を鑑賞した。あの異様で強烈な光がどす黒い雲とともにいつものベランダの外の世界を異世界に作り変えてくれる。
兄も一人で部屋でこの雷を見ているのだろうか、なんて考えたりもして、普段あまり仲良いとはいえない関係の私たち家族なのだけれど、これから先私が離れて暮らすことになっても雷を見るたびに家族のことを思い出すんだろうなと思った。

そんな雷雨の時期は過ぎ去り、共に夏休みも過ぎ去ってしまった。
新学期が始まる。まだまだ夏休みの体からは抜け出せないが、これから怒涛の三ヶ月が待ち受けているので早くここから抜け出さなくては、と焦る今日であった。

2018/9/4 あやちゃん