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メイ
あやちゃん

確かにそこにいる

この夏、答志島という三重県にある小さな島にいき、一週間ゼミで展示をしてきた。

答志島にいた時も伊勢神宮に行った時も、強く感じた神様の存在。

伊勢神宮は漠然と「日本で一番大きな神様がいる」ということしか知らなかったのだけど、そこは行った人全員が神様の存在を確実に体感できる空間だった。

深い青とグレーに包まれてピンと空気が張られていて静かで見えないけれどたくさんの神様がそこに暮らし道を行き来しているのを感じた。真夏にも関わらず涼しく、そこに生える木々も中央を吹き抜けていく風たちも全て神様に従っているように感じた。大きな神様に会うまでの道のりが訪れたものたちの心を整えていき、研ぎ澄まされた状態で神様と対面し祈りを届けられるようになっていて、強く神様の存在を信じている人々によって作られた神社なのだと思った。

 

 

展示をした答志島の民家にはどこの家の壁にも漢字の八の字を丸で囲ったマークが書かれていて、それは全て海に対面する壁に描かれている。

そのマークは魔除けとして古くから伝わるものらしく、海の魔力から家を守ってくれるおまじないとして描かれているらしい。

生活の中に大きく海の存在がある答志島では「海」という存在自体が得体の知れない魔物のような、神様のようであって、そんな海とうまく距離をとり繋がり暮らしていけるように海にちなんだたくさんの決まりごとや、底しれない力を持つ海に対抗するためのおまじないがあった。

海女さんの皆腰につけているアワビを採る道具入れには“ドーマン・セーマン”と呼ばれる星と格子のような形の魔除けのマークが描かれている。

格子のマークは多くの仕切り目で魔物を見張ると言われていて、星のマークは、一筆で書いたときにまた始めの位置に戻ることから「無事に戻ってこられるように」という祈りが込められている。

 

その話をしてくれた街の人の口ぶりは、そう信じられている、というよりいることが当たり前で、それはお正月、毎年余ったバイト先のケーキを持って行っていておじいちゃんが亡くなって初めての迎えた正月の時も、わかっていてもおじいちゃんの分のケーキも選んで持って行ったあの感覚に近いものかなと勝手に思ったりしたけど、もっともっと間違いなくそこにいると全員が思っていて、信じる信じないとかではなく確実にいる前提で話をしていているようにも感じた。

きっとずっと昔から受け継がれ、幼い頃からその環境で皆育っているから「いる」「ある」という気持ちの強さは圧倒的に伝わった。

あと言霊も同じように強く信じられていて、町中に感謝の言葉についてのスローガンや言い伝えが貼ってあり、街の人々もとても心穏やかで優しく、会話も感謝の言葉で溢れていた。

 

 

先日終演したCOoMOoNOの「そこない」という舞台でリリという天使の存在についてのセリフでも似たようなことを私の演じたアリスが喋っていた。

「リリは、居る。『居ることにした』ということよりも強く、居るの。そのおかげで、とても心穏やかだわ。ない、ってことがないの。ザワザワしない。」

 

いると思うことで強くいられる。穏やかな気持ちのままでいられる。いると思うことで救われることがある。

信じるって弱い人がすがるイメージだったりとても怖いことのように感じることもあるけれど、

やっぱり信じるものがある人は強く、優しく、美しい。信じ続けるためには強さを伴わなければならない。信じることができる人は、ずっとここで生きていける。

 

 

日付を超えてしまったけれど今週のゴールデンレコードのお題は「箱」

 

「そこない」では、床にたくさんの青色の箱が置いてあり、その箱の中に海辺に落ちている遺留品を一つ一つ丁寧に包んで持ち主の元へ届ける。その遺留品は他人からしたらなんでもないようなものだったり、ほんの小さなひとかけらだったりするけれど、渡された人からしたら厚みがあって重さがあり、救いになり、その人のかけがえのない宝物になる。

COoMOoNOのもこさんの描く世界はまっすぐで強く美しい。作り出される情景は全て静かで穏やかで綺麗である。描かれている言葉全てに無駄がなく密に詰まっていてとても大事にされている。聞いていても見ていても口に出してみても美しさに体が震えて心がときめく。

そんな美しく研ぎ澄まされた言葉に触れ、口にすることができたときに私は一番生きた心地がする。

十分な量の酸素が体に取り込まれてから少し冷たい水の中をスイスイ泳いでいるような、最高に幸せな時間をまだまだ未熟な私に与えてくださり、世界の住人の一人として存在させて頂けて、アリスちゃんとして言葉を伝えることができたこと、本当に幸せな時間でした。ありがとうございました。

 

 

 

答志島でたくさん拾った貝殻の中で、お気に入りの不思議な形の貝殻をお土産に小さな箱に入れて好きな人にプレゼントした。

どんなに簡単で小さなものでも入れるだけですっごく特別なものに見せてくれるので、箱っていいな。

 

 

2019/9/8 あやちゃん